CACAOではAO・推薦入試対策に特化した家庭教師を紹介しておりますが、AO・推薦入試の受験を検討している受験生にとって、そもそもAO・推薦入試とはなにか、というところから疑問だと思います。

全国の大学の入学定員のうち、私立大学では約半数、国公立大学でも2割くらいがAO・推薦入試を利用していますし、将来的には、国立大学でもAO・推薦入試合格者を定員の30%に拡大する、という話も出てきています。
もともとAO入試は、1990年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)で始まったもので、今やAO・推薦入試は東京大学といった最難関大学から中堅大学、専門学校にまで幅広く導入されています。

推薦入試トップページ _ 東京大学

学習指導要領で定められている教科の習熟度によって合否が決まる一般入試であれば、志望する大学の求めるレベル(偏差値)と自分との間に差があれば、あとはその差を縮めるように勉強をこなせば良いのですが、意欲や個性、志などが多面的に評価されるAO・推薦入試では、合否判定の評価基準も大学によって様々で、ここまでやれば合格する、という対策の目安のようなものが存在しません。
例えば、大学受験パスナビで慶應SFC(総合政策学部・環境情報学部)の偏差値は72で、中央大学法学部は65となっていて、一般入試では、受験科目の違いはあるにせよ、慶應に受かるレベルなら中央大にも受かるだろう、と考えられるわけですが、AO・推薦入試では、慶應大と中央大では求める学生像も受験方法も全く違いまして、慶應SFCのAOは受かったけど中央大のAOでは受からなかった、ということがあり得ます。

多くの大学に幅広く導入されていて、大学によって評価の基準も様々となると、AO・推薦入試を受験するにあたっての対策というのも人それぞれ存在します。
AO・推薦入試の対策については別の機会に紹介させていただくこととしまして、まず今回は、AO・推薦入試の受験を検討していたり、少し興味を持っている人向けに、そもそもAO・推薦入試とはなにかを解説しましょう。

 

AO・推薦入試とはなにか

AO入試と推薦入試は似たようなところも多く、「AO・推薦入試」といった形でまとめられることも多いのですが、ここでは「AO入試」と「推薦入試」で分けて紹介します。

推薦入試

推薦入試は大きく分けて、「指定校推薦」と「公募制推薦」、AO入試と呼称しないだけで内容はAO入試とほぼ同じ「(AO型)推薦入試」の3種類に分けられます。各入試ごとの異なるポイントをまとめてみます。

指定校推薦
  • 出願しやすさ:
  • 合格しやすさ:★★★
  • 評価されるポイント:高校の成績(評定平均など)
  • こんな人に向いている:行きたい大学・学部の指定校推薦枠がある高校に在学していて、高校の成績が極めて良い人

指定校推薦入試は、大学が指定した高校の生徒のうち、高い評定平均や高校での履修科目など、細かく指定された推薦基準を満たし、校内選考を通った生徒だけが出願できる入試です。評価されるポイントとしましては、評定平均などの高校の成績と、高校によっては普段の生活態度も評価されることもあるようです。ただ無事に校内選考さえ通ってしまえば、指定した高校の学校長の推薦を受けているということで、大学で面接などの試験もありますが、ほぼ100%合格します。日頃から高校の勉強を頑張って良い成績を取れている人におすすめでしょう。

公募制推薦
  • 出願しやすさ:★★
  • 合格しやすさ:★★
  • 評価されるポイント:高校の成績(評定平均など)、高校の課外活動(部活動・生徒会活動など)
  • こんな人に向いている:行きたい大学・学部の公募制推薦入試の出願資格を満たしている人

公募制推薦入試は、指定校推薦と同様、高い評定平均や高校での履修科目など細かく指定された出願資格があります。指定校推薦との違いといたしましては、校内選考がなく、出願資格が満たしていれば出願できること、高校の成績だけではなく、部活動や生徒会活動など課外活動も評価されることがあります。合格難易度としましては、公募制ということで、大学から指定された高校の生徒しか出願できない、指定校推薦のように100%合格とはなりませんが、高い出願要件が設定されていますので、その出願さえ出来れば、難しくないでしょう。高い出願基準をクリア出来る人にはおすすめの入試です。

(AO型)推薦入試

「自主応募推薦入試」や「自己推薦入試」、「AO入試」がAdmissions Office(アドミッションズ・オフィス)入試の略に対して、Admissions Center(アドミッションズ・センター)入試で「AC入試」など、指定校推薦と公募制推薦に当てはまらない推薦入試のほとんどが、AO入試とほぼ同じ形式をとっています。ここでは「(AO型)推薦入試」としまして、次のAO入試の項目を参照していただければと思います。

AO入試

  • 出願しやすさ:★★★
  • 合格しやすさ:
  • 評価されるポイント:アドミッションポリシーに当てはまるか
  • こんな人に向いている:行きたい大学・学部のアドミッションポリシーに当てはまる人

AO入試は、よくある形式ですと書類審査+二次試験のタイプです。志望理由書や自由記述、小論文など出願書類で評価する書類審査と、面接やプレゼンテーション、グループディスカッションなどの二次試験の組み合わせで評価されます。
大学・学部によって、求められる出願書類の内容や形式は異なりますし、そのあとの二次試験でも面接だけというところや、受験生自身で試験内容を選べるところもあります。

AO入試において特に重要視されるものにアドミッションポリシーがあります。「アドミッションポリシー」とは、日本語で「入学者受入方針」といい、大学側が求める学生像を大学・学部ごとに示したものです。

国際教養学部の方針|国際教養学部について|国際教養学部 SILS|早稲田大学

早稲田大学では、『学問の独立』の教育理念のもとで、一定の高い基礎学力を持ち、かつ知的好奇心が旺盛で、本学の理念である進取の精神に富む、勉学意欲の高い学生を、わが国をはじめ世界から多数迎え入れる。

国際教養学部は以下のような学生の選抜に努めている。

  1. 英語で勉強する強い意欲を持つ者
  2. 母語以外の言語で効果的に意思疎通できる言語能力、または、その潜在能力を有する者
  3. 複数の学問分野の視点から諸課題に取り組むにあたり、総じて高い学力、または、その潜在能力を有する者
  4.  独自の視点から問題を分析できる批判的能力、または、その潜在能力を有する者
  5. 考えや情報を発表するときに、明確かつ正確にそれらを伝達できる表現能力、または、その潜在能力を有する者
  6. 日本国内、および、海外の多様な文化的、教育的経験を持ち、本学部に多様性をもたらす者
  7. 新しい環境において生活、学習することに挑戦できる適応性と柔軟性を有する者
  8. 国際的、相対的視点から知的、道徳的問題に取り組む意思と意欲を有する者

国際教養学部の各入試制度では上記のうちの複数の原則に重きを置きつつ、全体として八原則をバランスよく体現するよう努めている。

具体的な例で、早稲田大学国際教養学部のアドミッションポリシーでは、高い基礎学力、英語力、表現能力、多様性などが求められていることが分かります。早稲田大学国際教養学部のAO入試では、これらの示されている力を計るために、資料を理解、分析し自分の考えを表現する筆記審査「Critical Writing」や、志望理由書を英語で作成することが課されます。

例えば、海外経験があって英語でのコミュニケーション能力が優れている高校生がいるとします。海外経験から得られる英語力というと、文法というより感覚的に習得している側面が大きいですから、高校の英語の成績でみるとあまり良くない、ということが多々あります。その場合、上で説明しました指定校推薦や公募制推薦ですと、たとえ英語ができたとしても、出願資格として高校の英語の成績が要求されますので、海外経験から得た高い英語力を持っていても、不合格となってしまいます。
AO入試であれば、アドミッションポリシーに合っていることを示せばいいので、この高校生であれば、英語力を示せれば、その表現の方法は自由です。留学時に書いた英語のエッセイを添付するのも手ですし、極端な例になりますが、面接における言語指定はないので面接官に英語で受け答えをしても良いかもしれません。

各学部における3つの方針:慶應義塾大学 学部入学案内(入学センター)

総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」に拘る学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍する事を期待します。従って入学試験の重要な判定基準は、自主的な思考力、発想力、構想力、実行力の有無です。「SFCでこんな事に取り組み学びたい」という問題意識に基づいて、自らの手で未来を拓く力を磨く意欲ある学生を求めます。

一方、慶應義塾大学総合政策学部では、上記の引用の通りで、「思考力」、「発想力」、「構想力」、「実行力」の有無を入学試験の重要な判定基準としています。慶應義塾大学総合政策学部のAO入試で課される試験内容は、主なもので志望理由書と自由記述、プレゼン、面接ですから、これらでアドミッションポリシーに示されている力を計ろうとしているのですね。

歌手の一青窈さんは、慶應義塾大学の総合政策学部と双子の学部とされる、環境情報学部の出身で、AO入試で合格されています。一青窈さんは、「音楽で社会を変える」ことをテーマに受験されたらしいのですが、面接時に、担当の教授から「音楽は社会に何の変革があるのか」と突っ込まれ、すかさず「この声を聞いて社会が変わると思いませんか?」と言って、いきなり歌って合格した、というエピソードがあります。

出願に関しても、高校を既に卒業されている浪人生や、海外からの出願も可能で、出願のハードルを下げて、広く門戸を開いているのが特徴の一つです。評価されるポイントも、大学側のアドミッションポリシーに合っているかというのが前提にありますので、大学・学部によって大きく異なります。例え、何かしら全国で一二を争うほどの優れた能力を持つ人でも、大学側がアドミッションポリシーで示しているような人でなければ、不合格になるでしょうし、やはり、自分に合った大学・学部を見つけることに力を注ぐ必要があります。
その一方で、門戸を広くあけているAO入試ですから、募集人員に対しての出願者数は多くなりがちでして、指定校推薦や公募制推薦と比べますと、倍率も高く、合格も簡単ではない入試ということになります。

まとめますと、AO入試というのは、アドミッションポリシーに基づく入試で、大学・学部によって試験内容や評価基準が様々なのは、このアドミッションポリシーが関係しています。AO入試を受験して合格するためには、大学の示すアドミッションポリシーと受験生自身の人物像が合致するかを確認した上で、書類や面接などの大学から課される試験で、自分がアドミッションポリシーと合致していることを証明する、となります。

 

以上、AO入試と推薦入試の概要でした。

高校での学習を基本に内申点を大きく評価するのが、指定校推薦入試と公募制推薦入試でして、アドミッションポリシーに基づき、高校での学習だけではなく、様々な面で評価されるのがAO入試(AO型推薦入試)と言えます。
一般入試、AO入試、推薦入試、それぞれに特徴がありまして、合う合わないは人によるところが大きいと思います。多様化している大学入試において、選択肢として一般入試だけでは勿体無い時代になっています。AO入試・推薦入試という方法もあるんだな、と知っておくだけでも、選べる大学の幅も広がるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

高野祐大
11歳よりブロガー。高校1年生から週7日でバイトして、17歳で全国47都道府県を旅した。翌年、東日本大震災が発生し、双葉町支援プロジェクトを立ち上げ。福島の子どもたちに支援活動を行う。学校の成績は偏差値30、評定平均2.2だったが、AO入試を通して、慶應義塾大学環境情報学部に入学。この経験から、AO入試の裾野を広げ、受験生の多様化を目指し、志望校の先輩が未来の後輩にマンツーマンで指導する、シンプルで安価なAO入試対策塾「AO・推薦入試対策の家庭教師CACAO」を設立した。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。