こんにちは。AO・推薦入試対策の家庭教師CACAOの高野祐大です。
受験するAO入試・推薦入試を選ぶにあたって、重要になる比較検討ポイント7つをお教えします。
少しでも気になるAO入試・推薦入試があれば、まずこの7つのポイントで整理してみると、まだ見えていないものが見えてきます。

1.出願条件

AO入試・推薦入試は、大学・学部・入試方式によって様々な出願条件が課されています。
そもそも自分自身がその条件を満たしていなければ、出願すら出来ません。

  • 出願が迫っている人は、出願条件を満たしているか
  • 出願まで時間のある人は、残った時間で出願条件を満たせそうか

逆にいえば、厳しい出願条件をクリアできるAO入試・推薦入試を見つけることが出来れば、ライバルが少なく、有利に受験を進めることが可能です。

ちなみに出願条件には、必ず満たす必要のある必須条件から、ほとんど気にしなくてもいい形骸化している条件まであります。

必須条件

条件を満たすことを証明する書類の提出や、客観的事実の証明が求められる条件は、必然的に「必ず満たす必要」があります。以下のような条件です。

評定平均

「評定平均4.0以上」や「数学と英語の評定平均が4.5以上」など、全体や特定の科目の評定平均を満たすことを条件としているものです。
大学・入試方式によって、「第1学年〜第2学年」や「第3学年の1学期まで」といった期間の指定も異なってきますので、よく確認しましょう。

履修科目

高校で履修した科目を指定しているものです。
「数学IIIを履修している者」や「生物を履修している者」といった形です。
前提知識がないと入学後困るような理系学部に多い傾向です。

学科

普通科や商業科といった、在籍する学科が指定される形式もあります。
こちらは理系学部に加えて、芸術系の学部にも多く見受けられます。

居住地

受験者の居住地(都道府県など)を指定するものもあります。
これは「全国各地からまんべんなく学生を募りたい」という大学・学部の願望からですが、もし該当すれば、受験を有利に進められるでしょう。

資格

「英検2級以上」や「TOEIC800点以上」といった語学系資格や、「日商簿記2級以上」や「パソコン検定3級以上」など様々な資格が出願条件として指定されています。

特殊な例の一つに、「英検やTOEICを受験しており、そのスコアを提出できること。」といった、級やスコアの指定がなく、受験のみを条件としているパターンもあります。この場合、資格試験を受験する「意欲」さえあれば出願条件をクリアできるわけです。
このような一見簡単過ぎるような出願条件が課されているときは、大学側の意図を考える必要があります。多くの場合、受験生のAO・推薦入試受験に対する「意欲」が試されており、「この受験生は資格試験を受験する程度の意欲は持ち合わせているかな?」と、意欲で受験生の足切りをしていることが多いでしょう。

条件さえ満たしていれば、級やスコア自体はそれほど気にする必要はないと言えます。

コンテスト

「数学オリンピック予選Aランク者」や「小論文コンテスト出場」など、指定のコンテストで所定の成績を収めた人や出場した人など、コンテスト等が出願条件となることもあります。

そのコンテスト自体が難易度の高いものが多いのですが、「この条件を満たしていればほぼ合格する」といった合格直結パターンが多く存在するのが、この条件です。もちろん、その是非は定かではなく、過去の合格者や在学生からもたらされる情報をよく精査する必要はありますが、AO入試・推薦入試受験において限りなく優位に立てるのは確実です。

行きたい大学が決まっている人は、ネットでよく調べたり、在学生と早くからコンタクトをとったりして、大学合格を目的にコンテスト入賞を狙うのもありですね。

海外経験

「国外の滞在経験が1年以上」など、滞在期間が指定されているものや、国が指定されているものもあります。
外国語系やグローバル系の大学に多い傾向ですが、近年はあまり関係のなさそうな大学・学部にも指定されていることがありますので、要チェックです。

部活動・生徒会での役職経験

部活動で「部長」や生徒会で「会長」を務めた経験を求めてくるものです。
ただ「部長」や「会長」など、特定の役職を出願条件にするパターンは近年あまり見られなくなりました。

部活動・生徒会での経験は、次の「自己評価系」で使えることが多いでしょう。

解釈次第な条件

客観的な事実を証明する必要のないものや、そもそも出願条件自体が曖昧なものも「出願条件」として存在します。

自己評価系

よくあるのが「学業が優秀であり、創造的、積極的な学習姿勢を堅持している。」とか「学業、人物ともに優れ、地域社会や高等学校等において指導的な役割を積極的に果たすなど、評価を得ている。」などです。
これらの条件は「自己評価」となり、面接で説明を求められることはあるかも知れませんが、その時に納得の行く説明が出来れば、解釈は受験生次第となります。

そもそもAO入試自体が学生の多様性の向上を狙って生まれた入試形式ですので、解釈の仕方はある程度広い方が良いのでしょう。

夢を応援するSFCのAO入試 – リクルート カレッジマネジメント

志望理由書や面接、プレゼンテーションを通して、教授や面接官を納得させることが出来るかが重要なのです。

形骸化している条件

本学を第一志望とすること

そもそも「AO入試・推薦入試は併願できない」と思っている人は多くいます。それは多くのAO入試・推薦入試で「本学を第一志望とすること」という出願条件が課されているからなのでしょうが、実質的に併願できます。
併願できるかどうかは、入試日程の「試験日」や「入学手続期間」の方が重要で、出願条件の「本学を第一志望とすること」には、実際のところ意味を持ちません。気にしなくて良いのです。

併願できるか判断するポイントも含めて、「3.入試日程」で詳しく解説します。

2.入試結果(倍率)

とりあえず、チャレンジできるAO入試・推薦入試を見つけることが出来たら、次に注目するのがこれです。
入試結果のうち、特に「倍率」は、入試の難易度に関わるものなので、難易度で比較したい人はこれだけ調べても良いでしょう。

以下の項目を、だいたい3年分くらい逆上って調べてみます。

  • 志願者数
  • 一次合格者数
  • 最終合格者数
  • 倍率

これらの項目を以下のように表にしてまとめると分かりやすいです。

調べる方法は、大学ホームページの「募集要項」や「入試結果」を使います。
もし3年分のデータが見つからなかったら、パスナビを使うと良いでしょう。

大学受験パスナビ:旺文社

例として、立命館大学政策科学部AO選抜入試をまとめてみます。

志願者数 一次合格者数 最終合格者数 倍率
2017年度 40 13 11 3.6
2016年度 38 11 11 3.5
2015年度 35 不明 11 3.2

この表で分かることを考えていきます。

  • 志願者数は微増傾向で、それに伴って倍率も上昇している。→次の入試の難易度も同じか難しくなる。
  • 一次合格者数と最終合格者数はあまり変わらない。→一次試験が関門になっている。

この立命館大学政策科学部AO選抜入試は、一次試験が関門となっていて、一次試験さえ通過できれば、合格できる可能性は高い。ということが分かると思います。

3.入試日程

入試日程も以下の項目を表にしてまとめると分かりやすいでしょう。
AO入試・推薦入試の併願を考えている人は、受験を検討している入試の日程を比べてみましょう。

  • 出願期間(消印有効か必着もチェック)
  • 試験日
  • 合格発表日
  • 入学手続期間

例として、以下の3つを検討しているとしましょう。

出願期間 試験日 合格発表日 入学手続期間
【第1志望】
福島大学共生システム理工学類AO入試
9/4〜9/7
午後5時必着
10/14 10/19 12/15〜12/22
【第2志望】
慶應義塾大学SFC AO入試(4月入学II期)
10/13〜10/18
消印有効
12/9 12/11 1/9〜1/12
【第3志望】
専修大学ネットワーク情報学部AO入試
8/31〜9/5
消印有効
10/7 10/17 10/17〜10/23

この表から分かることで、主なものは以下の通りです。

  • 試験日が被ることはない。
    →試験日が被ってしまうと併願は物理的に厳しくなるが、被っていないので併願可能。
  • 専修大学の合格発表より前に、福島大学の出願と試験がある。
    →少なくとも専修大学と福島大学の2つは受験する必要がある。(2校分の受験料が必要)
  • 専修大学の入学手続期間が、福島大学の合格発表の後、慶應義塾大学の合格発表日より前にある。
    →第1志望の福島大学に合格すれば第3志望の専修大学の入学手続きをする必要はないが、第1志望に合格できず第2志望の慶應義塾大学を受験することになれば、第3志望の専修大学の入学手続きをする必要が出てくる。(第3志望の大学の入学金を納入が必要)

AO入試・推薦入試の併願を考えるときは、金銭面で考えさせられることが多く、受験料や入学金が必要だったりと、そこは親御さんと一緒によく相談する必要が出てきます。

傾向としましては、いわゆる「すべり止め」の大学は、入学手続期間が早めに設定され、第一志望になることが多い大学は遅めに設定されていますね。

4.出願書類

出願書類は大学・入試方式によってはもちろん、年度によっても大きく異なってきます。
実物を早めに取り寄せて見ておくことが必要ですし、ネット上でも見れることが多いので、確認しておく必要があります。
特に、書類の種類とその形式(文字数など)をチェックしておくのと、必要な書類の中に自分以外の人に依頼が必要な書類がないかの確認は必須です。

例として、東北大学文学部AO入試II期で必要な書類の種類と形式を書き出してみましょう。

  • 入学志願書
  • 受験票・写真票
  • 志願理由書(A4一枚、罫線のみ25行)
  • 活動報告書(主な活動実績を最大3件、活動の成果や資格を示すものを添付、記述欄あり)
  • 英語の資格・検定試験の成績証明書等
  • 調査書
  • 志願者評価書(高等学校等の先生1名に依頼)
  • 入学検定料
  • 出願書類受領書
  • あて名シール
  • 第1次選考結果送付用封筒
  • 選考結果等送付票

このように、AO入試・推薦入試における出願書類は、とても複雑で用意も時間がかかります。
特に、自分ひとりで用意できる書類であれば、最悪一夜漬けで片付けることも可能ではありますが、他の人に依頼する必要がある書類はそうはいきません。

この東北大学文学部AO入試II期の例ですと、調査書と志願者評価書は学校の先生に依頼する必要があります。
特に「志願者評価書」は、どの先生に書いてもらうかがかなり重要で、その内容も入念な打ち合わせをする必要があるでしょう。

このように出願書類の内容や形式を、早い段階でよく知っておくことが必要です。

5.選考方法

出願書類と並んで大事なのが、二次試験などで課される選考の方法です。
(一次試験を出願書類による「書類審査」としていることもありますが、ここでの選考方法は「実際に大学にいってやる試験」のことをいいます。)
少なくとも「面接」が課されるのがオーソドックスですが、それ以外にも様々な選考方法があります。

  • 面接(個人や集団、英語面接など)
  • プレゼンテーション(模造紙、パワーポイント、ホワイトボード使用など)
  • 小論文
  • 模擬講義(講義を聞いてレポートを作成するもの)
  • グループディスカッション
  • 学力試験(外国語系や理系学部に多い)

選考方法の詳しい内容を、早めに知っておくことが大切です。
面接の形式や面接官の人数、過去に出題された小論文課題、プレゼンテーションの時間や形式、使用が許可されたものなど、要項をよく確認するのはもちろん、実際に受験したことのある人に聞いてみるのも良いでしょう。

6.イベント等の情報

大学・学部によっては、AO入試の相談に乗ってくれるイベントや、直接合否に関わるようなイベントを開催していることがあります。

  • オープンキャンパス
  • AO入試説明会(相談会)
  • 合格直結イベント

オープンキャンパスでは、AO入試の説明がなされたりすることはもちろん、受験する大学の現状や課題点、将来的な展望も頭に入れておくと、出願書類に盛り込めたり、面接などの話のタネに出来たりして、受験を有利に進めることができます。

また、オープンキャンパスとは別日程で「AO入試説明会」を開催する大学・学部もあります。
このイベントでは、実際に選考に携わる大学の先生と話す機会があったりして、現時点での志望理由書などを見てもらえたりします。もし開催されていたら行くと良いです。

最後の「合格直結イベント」ですと、慶應SFCの未来構想キャンプが有名ですね。

未来構想キャンプ | 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)

どうして合格直結なのかというと、慶應SFCのAO入試C方式で「未来構想キャンプ入賞者」が出願条件の一つになっていて、慶應SFCのAO入試C方式の倍率は実質1倍に近いのです。
ですので、一見するとオープンキャンパスの延長のようなイベントに高校生が殺到するのです。

7.アドミッションポリシーや合格者の体験談・出願書類など

AO入試・推薦入試の興味深いことの一つに、大学・入試方式によって合格者の傾向が違うことがあります。
どんな傾向の人が合格しているのかを知ることによって、自分自身がこの大学・入試方式に適しているのかを測ることが出来ます。
また、どんな人を求めているのかを大学側から提示した「アドミッションポリシー」をよく読んで、自分なりに納得しておくといいでしょう。
また、大学内部の人のAO入試に関する言及やインタビュー記事等など、インターネットをフル活用して、情報収集することも大切です。

この記事を書いた人

高野祐大
11歳よりブロガー。高校1年生から週7日でバイトして、17歳で全国47都道府県を旅した。翌年、東日本大震災が発生し、双葉町支援プロジェクトを立ち上げ。福島の子どもたちに支援活動を行う。学校の成績は偏差値30、評定平均2.2だったが、AO入試を通して、慶應義塾大学環境情報学部に入学。この経験から、AO入試の裾野を広げ、受験生の多様化を目指し、志望校の先輩が未来の後輩にマンツーマンで指導する、シンプルで安価なAO入試対策塾「AO・推薦入試対策の家庭教師CACAO」を設立した。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。