慶應義塾大学理工学部のAO入試は、現在「分野志向型入試」として実施されています。

分野志向型入試は、理工学部の特定分野に強い関心を持ち、高校在学中に勉学や課外活動で主体的に研鑽を積んできた受験生を対象とする入試です。

この記事では、慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試(旧AO入試)について、募集人数、試験日程、出願条件、選考内容、志望理由書・面接対策のポイントを解説します。

【2027年度】慶應義塾大学理工学部 分野志向型入試の概要

大学名 慶應義塾大学
学部 理工学部
入試方式 分野志向型入試(旧AO入試・総合型選抜)
募集学科・募集人数 電気情報工学科:最大10名程度
数理科学科:最大10名程度
化学科:最大4名程度
出願期間 2026年10月1日(木)〜10月6日(火)※締切日消印有効
第1次選考合格発表 2026年10月30日(金)午前10時
第2次選考 2026年12月5日(土)
※化学科は第2次選考を行いません
第2次選考合格発表 2026年12月5日(土)午後8時
第3次選考 2026年12月6日(日)
第3次選考合格発表 2026年12月11日(金)午前10時
選考方法 第1次選考:書類選考
第2次選考:総合審査(電気情報工学科・数理科学科のみ)
第3次選考:面接試験
試験場 矢上キャンパス

※上記は2027年度募集要項をもとにした情報です。年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず慶應義塾大学公式サイトの最新募集要項をご確認ください。

慶應義塾大学理工学部とは

慶應義塾大学理工学部は、科学技術を通じて社会課題の解決に貢献する人材の育成を目指す学部です。

理工学部では、数学、物理、化学、情報、電気電子、機械、生命、システムなど、幅広い理工系分野を学ぶことができます。

慶應義塾大学理工学部の特徴の一つは、1年次は学門制で幅広く理工系の基礎を学び、2年次以降に各学科へ進む仕組みです。ただし、分野志向型入試による入学者は、第1学年から学科に所属します。

分野志向型入試では、特定の学問分野に対する強い関心や探究心を持ち、入学後もその分野で主体的に学び続けることが期待されます。

分野志向型入試とは

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試は、従来のAO入試に近い性格を持つ入試です。

一般選抜のような一斉の学力試験だけでなく、書類選考、論理的思考を問う総合審査、面接試験を通じて、受験生の学力、探究心、志望動機、分野への適性を総合的に評価します。

募集要項では、分野志向型入試の目的として、自らの興味から進んで行っている自己研鑽活動に加え、一定水準以上の学業成績をおさめ、明確な志望動機を持ち、慶應義塾大学理工学部を第一志望とする者を対象とする入試制度であることが示されています。

特に、学問分野への興味の強さを重視し、学科別に募集が行われる点が特徴です。

募集学科と求める学生像

2027年度の分野志向型入試では、電気情報工学科、数理科学科、化学科の3学科で募集が行われます。

学科 募集人数 求められる関心・適性
電気情報工学科 最大10名程度 ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたエレクトロニクスシステム、電気回路、電磁気、情報、人工知能、通信、半導体、量子技術などに強い関心がある受験生
数理科学科 最大10名程度 数学が好きで、数学の理論を深く追究したい受験生や、数学の応用によって現実の問題を解決したい受験生
化学科 最大4名程度 化学が好きで、今後も化学や化学に関連する学問を探究していく強い意志を持つ受験生

どの学科も、単に成績が良いだけでなく、その学問分野に対して強い興味と探究心を持っていることが重要です。

出願条件

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試では、出願資格として、学業成績、履修科目、欠席日数、志望度などに関する条件があります。

主な出願条件は以下のとおりです。

  • 慶應義塾大学理工学部での勉学を強く希望し、明確な目標を持って、本学部を第一志望とすること
  • 高校在学中あるいはそれに相当する課程の期間中に、勉学・課外活動などで研鑽を積み重ねてきたこと
  • 希望する学科の分野に関連して、深い興味を持つに至る探究を行ってきたこと
  • 高等学校または中等教育学校を2027年3月卒業見込みであることなど、大学が定める出願資格を満たしていること
  • 調査書記載の欠席日数の合計が30日を超えないこと
  • 指定された数学・理科・外国語の科目を履修していること

履修科目の要件

教科 必要な履修科目・単位数
数学 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B・数学Cの合計15単位以上
理科 物理基礎・物理・化学基礎・化学の合計12単位以上
外国語 英語コミュニケーションⅠ・英語コミュニケーションⅡを含む英語科目の合計14単位以上

成績評価の目安

募集要項では、成績評価について以下が望ましいとされています。

  • 高等学校第1学年第1学期から第3学年第1学期までの「全体の学習成績の状況」が4.1以上であること
  • 指定された数学と理科のすべての科目の評定がそれぞれ4以上であること

評定平均や履修科目の条件は非常に重要です。出願を検討する場合は、早めに学校の先生に相談し、自分が条件を満たしているか確認しておきましょう。

提出書類

分野志向型入試では、出願書類が第1次選考の対象になります。

特に志望理由書は、志望学科への適性や学問分野への関心を示す重要な書類です。

主な提出書類は以下のとおりです。

  • 写真票
  • 志望理由書
  • 入学志願者調書
  • 成績に関する確認書
  • 出願書類確認票
  • 調査書
  • 高等学校の卒業見込証明書等
  • 必要に応じた振り替え表と説明資料

志望理由書では、慶應義塾大学理工学部を強く志望する理由、入学後にどのような分野・テーマを学びたいか、将来どのような夢や希望を実現したいかを、2000字以内でまとめます。

選考内容

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試は、第1次選考、第2次選考、第3次選考に分かれています。

選考 内容
第1次選考 提出された書類により選考が行われます。
第2次選考 第1次選考合格者に対して、論理的な思考を問う総合審査が行われます。電気情報工学科・数理科学科が対象です。化学科は第2次選考を行いません。
第3次選考 第2次選考合格者に対して面接試験が行われます。化学科は第1次選考合格者に対して第3次選考を実施します。

第2次選考の内容

学科 基礎力審査 応用力審査
電気情報工学科 数学の基本的な考え方を問う筆記問題 課題解決型記述問題(物理、数学およびそれらの応用)
数理科学科 数学の基本的な考え方を問う筆記問題 数学的な思考を問う記述問題
化学科 実施しない 実施しない

第2次選考は、2026年12月5日(土)午前9時30分集合、午前10時から12時頃まで実施されます。試験場は矢上キャンパスです。

第3次選考の内容

学科 面接時間 質問内容
電気情報工学科 一人20分程度 物理、数学およびそれらの応用、志望動機や興味などについて
数理科学科 一人20分程度 数学的な考え方、および志望動機や興味などについて
化学科 一人40分程度 志望動機や化学全般、その他(物理、数学など)について

第3次選考は、2026年12月6日(日)午前9時30分集合、午前10時面接開始です。面接は受験生によって終了時刻が異なり、午後になる可能性もあります。

倍率・難易度

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試は、募集人数が限られているため、決して簡単な入試ではありません。

2027年度の募集人数は、電気情報工学科が最大10名程度、数理科学科が最大10名程度、化学科が最大4名程度です。

また、一般的な総合型選抜とは異なり、書類だけでなく、論理的思考を問う総合審査や専門分野に関する面接も行われます。

そのため、以下のような力が総合的に求められます。

  • 高い学業成績
  • 数学・理科の基礎力
  • 志望学科に対する強い興味
  • 高校在学中の探究活動・課外活動での研鑽
  • 志望理由書の完成度
  • 論理的思考力
  • 面接での説明力
  • 入学後の明確な学習目標

特に、電気情報工学科・数理科学科では、第2次選考で数学や物理、数学的思考を問う審査があるため、書類対策だけでなく学力面の準備も重要です。

志望理由書対策

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試では、志望理由書が非常に重要です。

志望理由書では、「慶應義塾大学理工学部に行きたい」という一般的な志望理由だけでなく、なぜその学科なのか、どの分野を学びたいのか、入学後にどのようなテーマを探究したいのかを明確にする必要があります。

おすすめの構成は以下のとおりです。

1. 分野への関心

電気情報工学、数理科学、化学など、志望する学科の分野に関心を持ったきっかけを説明します。

2. 高校時代の取り組み

探究活動、研究、コンテスト、課外活動、読書、実験、制作活動など、自分が積み重ねてきた研鑽を具体的に整理します。

3. 学問的な問題意識

その活動を通じて、どのような疑問や課題を持つようになったのかを説明します。

4. 慶應義塾大学理工学部を志望する理由

なぜ慶應義塾大学理工学部で学びたいのか、学科の特色や入学後の学びと結び付けて説明します。

5. 入学後の学習計画

入学後にどの分野・テーマについて、どのように学びたいのかを具体的に示します。

6. 将来の夢・目標

理工学部で学んだことを、将来どのように社会に活かしたいのかを説明します。

学科別の志望理由書のポイント

電気情報工学科

電気情報工学科では、ハードウェアとソフトウェアの両方に関心があることを示すとよいでしょう。

例えば、電子工作、ロボット、AI、通信、半導体、画像処理、電気回路、量子技術など、自分が興味を持ったテーマについて、なぜ関心を持ったのか、どのような取り組みをしてきたのかを具体的に書くことが重要です。

数理科学科

数理科学科では、「数学が好き」というだけでなく、数学のどの分野に関心があるのか、どのような問題を考えることに面白さを感じるのかを具体的に説明する必要があります。

数学オリンピック、数学研究、統計、数理モデル、暗号、データ解析など、自分の関心に応じて、数学を深く学びたい理由を明確にしましょう。

化学科

化学科では、化学への強い関心や、今後も化学に関連する学問を探究していく意志が重要です。

実験、研究発表、化学グランプリ、身近な素材や環境問題への関心など、自分が化学に興味を持ったきっかけや、これまでの取り組みを具体的に書くことが大切です。

面接対策

第3次選考では、学科ごとに面接試験が実施されます。

面接では、志望理由書の内容や、志望学科に対する興味、これまでの取り組み、数学・理科に関する基礎的な考え方が問われる可能性があります。

よくある質問としては、以下のようなものが考えられます。

  • なぜ慶應義塾大学理工学部を志望したのですか。
  • なぜその学科を志望したのですか。
  • 高校時代に最も力を入れた探究活動は何ですか。
  • その活動でどのような課題を発見しましたか。
  • どのように問題を解決しようとしましたか。
  • 志望理由書に書いたテーマについて説明してください。
  • 入学後に学びたい分野は何ですか。
  • 将来、理工学の知識をどのように社会で活かしたいですか。
  • 数学や理科で最も興味のある単元は何ですか。
  • 最近関心を持った科学技術のニュースは何ですか。

面接では、暗記した回答をそのまま話すのではなく、自分の経験や考えを自分の言葉で説明できるように準備しましょう。

第2次選考対策

電気情報工学科と数理科学科では、第2次選考として論理的思考を問う総合審査が行われます。

電気情報工学科では、数学の基本的な考え方に加え、物理、数学およびそれらの応用に関する課題解決型記述問題が出題されます。

数理科学科では、数学の基本的な考え方と、数学的な思考を問う記述問題が出題されます。

対策としては、以下の準備が有効です。

  • 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B・数学Cの基本事項を復習する
  • 物理基礎・物理の基本事項を復習する
  • 問題の解法だけでなく、なぜその解法を使うのか説明できるようにする
  • 記述式の答案作成に慣れる
  • 途中式や考え方を論理的に書く練習をする
  • 制限時間内に考えを整理する練習をする

化学科は第2次選考を行いませんが、第3次選考の面接で化学全般やその他の理工系科目について問われるため、化学を中心に基礎事項をしっかり確認しておく必要があります。

合格者から見た対策のポイント

慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試では、華やかな実績だけで合否が決まるわけではありません。

大切なのは、自分がなぜその学問分野に強く惹かれているのか、これまでどのような研鑽を積んできたのか、入学後に何を学びたいのかを、一貫したストーリーとして説明できることです。

特に、理工学部では数学・理科の基礎力と、専門分野への深い興味の両方が求められます。

「好きだから学びたい」だけでなく、「どのような問いを持ち、どのように探究してきたのか」まで整理しておくことが合格への近道になります。

こんな受験生におすすめ

  • 慶應義塾大学理工学部を第一志望としている
  • 理工系分野に強い関心がある
  • 電気情報工学・数理科学・化学のいずれかを深く学びたい
  • 数学や理科の成績に自信がある
  • 探究活動や課外活動で継続的に取り組んできたテーマがある
  • 志望理由書の書き方に悩んでいる
  • 面接や総合審査への対策をしたい
  • 一般選抜だけでなく総合型選抜も検討している

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慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試では、出願条件を満たすことはもちろん、志望理由書・書類選考・総合審査・面接まで一貫した準備が必要です。

早い段階から準備を進め、自分の興味や探究活動を「慶應義塾大学理工学部で学びたい理由」と結び付けていきましょう。