慶應義塾大学法学部法律学科のFIT入試B方式は、地域ブロック枠の考え方を採用し、法律学への関心、高校での学習成果、地域や社会への問題意識、論理的思考力、表現力などを総合的に評価する総合型選抜です。

FIT入試B方式は、一般選抜とは異なり、提出書類、総合考査、面接試験を通じて、受験生の学力・思考力・人物面を多面的に評価します。

この記事では、慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式について、募集人数、地域ブロック、出願日程、評定平均、提出書類、総合考査、面接対策、倍率・難易度のポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式は、地域ブロック枠を採用した総合型選抜です。
  • B方式では、自己推薦書ではなく評価書を提出します。
  • 出願には、指定教科および全体の学習成績の状況が重要になります。
  • 第2次選考では、総合考査Ⅰ・総合考査Ⅱと面接試験が行われます。
  • 2026年度入試では、法律学科B方式の出願者197名、最終合格者46名で、倍率は約4.3倍でした。
  • 合格に向けては、評定だけでなく、法律学への関心、地域や社会への問題意識、総合考査での論理的思考力、面接での表現力を一貫して示すことが大切です。

【2027年度】慶應義塾大学法学部法律学科 FIT入試B方式の概要

大学名 慶應義塾大学
学部 法学部
学科 法律学科
入試方式 FIT入試B方式(総合型選抜)
募集人員 法律学科:A方式・B方式合計 最大80名
B方式の特徴 日本全国を7つの地域ブロックに分け、各ブロックから法律学科・政治学科それぞれ最大10名程度を合格者とする方式
出願登録・入学検定料支払期間 2026年8月3日(月)10:00〜9月3日(木)17:00
出願書類郵送期間 2026年9月1日(火)〜9月3日(木)締切日消印有効
※海外からの出願は締切日必着
第1次選考 提出書類による書類選考
第1次選考合格発表 2026年9月15日(火)10:00
第2次選考日 2026年9月20日(日)
第2次選考会場 三田キャンパス
第2次選考内容 総合考査・面接試験
第2次選考合格発表 2026年11月2日(月)10:00
入学手続期間 2026年11月27日(金)〜12月11日(金)

※上記は2027年度募集要項をもとにした情報です。年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず慶應義塾大学公式サイトの最新募集要項をご確認ください。

慶應義塾大学法学部法律学科とは

慶應義塾大学法学部法律学科は、憲法、民法、刑法、商法、行政法、国際法、民事訴訟法、刑事訴訟法、労働法、知的財産法など、社会のルールや制度を幅広く学ぶ学科です。

法律学科では、単に条文を暗記するのではなく、社会の中で起きる紛争や課題に対して、どのようなルールが必要なのか、どのように権利や利益を調整するのかを考えます。

そのため、法律学科を志望する場合は、「弁護士になりたい」「法律に興味があります」だけでは不十分です。

自分がどのような社会問題に関心を持ち、法律学を通じて何を考えたいのか、また将来どのように社会に関わりたいのかを具体的に説明できることが重要です。

FIT入試B方式とは

慶應義塾大学法学部のFIT入試B方式は、地域ブロック枠の考え方を採用した総合型選抜です。

B方式では、日本全国を7つの地域ブロックに分け、各ブロックから法律学科・政治学科それぞれ最大10名程度を合格者とします。

地域ブロックは、原則として出身高等学校の所在地によって区分されます。

A方式と異なり、B方式では自己推薦書ではなく評価書を提出します。また、第2次選考では、A方式のような模擬講義・論述試験・口頭試問ではなく、総合考査と面接試験が行われます。

地域ブロックとは

FIT入試B方式では、日本全国を7つの地域ブロックに分けています。

地域ブロック 都道府県
Ⅰ.北海道・東北 北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島
Ⅱ.北関東・甲信越 茨城・栃木・群馬・新潟・山梨・長野
Ⅲ.南関東 埼玉・千葉・東京・神奈川
Ⅳ.北陸・東海 富山・石川・福井・岐阜・静岡・愛知・三重
Ⅴ.近畿 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山
Ⅵ.中国・四国 鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知
Ⅶ.九州・沖縄 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄

B方式では、各地域で個性を発揮してきた受験生が、慶應義塾大学法学部で学び、将来的に地域や社会に貢献することも期待されています。

そのため、法律学科B方式では、単に成績が良いだけでなく、自分が育ってきた地域や社会に対する問題意識、法律学を通じて考えたいテーマを明確にすることが大切です。

A方式とB方式の違い

慶應義塾大学法学部FIT入試には、A方式とB方式があります。

法律学科を志望する場合、政治学科との併願はできませんが、同一学科内でA方式とB方式の両方に出願することは可能です。

方式 特徴 第2次選考 提出書類の特徴
A方式 自己推薦書を提出し、主体的な活動や実績、法律学への関心を自分の言葉でアピールする方式です。 模擬講義・論述試験・口頭試問 自己推薦書を提出
B方式 地域ブロック枠の考え方を採用し、調査書や評価書、総合考査、面接を通じて総合的に評価する方式です。 総合考査・面接試験 評価書を提出

この記事では、法律学科B方式に絞って対策を解説します。

出願資格

FIT入試B方式では、慶應義塾大学法学部法律学科への志望理由や入学後の目標が明確であり、第一志望として法律学科での勉学を強く希望することが求められます。

また、合格した場合に入学することを確約できる必要があります。

主な確認事項は以下のとおりです。

  • 慶應義塾大学法学部法律学科を第一志望としていること
  • 法律学科で学ぶ明確な志望理由があること
  • 入学後の目標や構想が明確であること
  • 合格した場合に入学を確約できること
  • 指定教科および全体の学習成績の状況が基準を満たしていること
  • 在籍している、または卒業した高等学校等の教員による評価書を提出できること
  • 大学が定める大学入学資格を満たしていること

評定平均・学習成績の状況はどれくらい必要か

慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式では、学習成績の状況が非常に重要です。

B方式では、外国語・数学・国語・地理歴史・公民の指定教科と、全体の学習成績の状況について、基準を満たす必要があります。

特に、指定教科のうち1教科でも基準を下回る場合、出願資格を満たさない可能性があります。

そのため、B方式は「活動実績で勝負する入試」というより、高校での学習成果をしっかり積み重ねたうえで、法律学への関心や地域・社会への問題意識を示す入試と考えると良いでしょう。

評定平均を満たしている受験生は、志望理由書、評価書、総合考査、面接の準備によって、自分の強みをさらに明確に伝えることが大切です。

提出書類

FIT入試B方式では、提出書類が第1次選考の中心になります。

主な提出書類は以下のとおりです。

  • 志願確認票
  • 志願者調書
  • 志望理由書
  • 評価書
  • 調査書

A方式では自己推薦書を提出しますが、B方式では評価書を提出します。

評価書は、在籍している、または卒業した高等学校等に現在在籍している教員に作成を依頼する書類です。

志望理由書では、なぜ慶應義塾大学法学部法律学科で法律学を学びたいのか、また法学部で学ぶ法律学が自分の将来においてどのような意味を持つのかを800字以内で記述します。

評価書のポイント

B方式では、評価書が重要な提出書類になります。

評価書は、受験生本人が自由に書く自己推薦書とは異なり、学校の教員から見た学習姿勢、人物面、活動状況、継続性、協調性、主体性などを示す書類です。

評価書を依頼する際には、単に「推薦してください」とお願いするのではなく、自分がなぜ慶應義塾大学法学部法律学科を志望しているのか、これまでどのような学習や活動に取り組んできたのかを、事前に整理して伝えておくことが大切です。

先生に評価書を書いていただく際の参考資料として、以下の内容をまとめておくと良いでしょう。

  • 慶應義塾大学法学部法律学科を志望する理由
  • 法律学に関心を持ったきっかけ
  • 高校で力を入れてきた教科・活動
  • 地域や社会について関心を持っているテーマ
  • 部活動・生徒会・探究活動・ボランティアなどの経験
  • 自分の強みや成長した点
  • 将来の目標や入学後に学びたいこと

評価書は自分では直接書けない書類ですが、日頃の学校生活や先生との関係性が反映されやすい書類です。早めに相談し、余裕を持って準備しましょう。

第1次選考

第1次選考では、提出書類をもとに書類選考が行われます。

法律学科B方式では、志望理由書、評価書、調査書などを通じて、高校での学習成果、法律学への関心、入学後の構想、人物面が総合的に評価されます。

単に「評定が高い」「学校の成績が良い」だけでは十分ではありません。

自分の学習成果や経験が、法律学を学ぶ理由や慶應義塾大学法学部法律学科での学びにどのようにつながるのかを、一貫したストーリーとして示す必要があります。

第2次選考

B方式の第2次選考では、総合考査と面接試験が行われます。

内容 時間・形式 評価される力
総合考査Ⅰ 45分 資料から読み取れることを整理する力、論理的思考力、考察力
総合考査Ⅱ 45分 与えられたテーマについて考え、小論文として表現する力、創造力、独創性、発想力
面接試験 約10分 志望理由、法律学への関心、人物面、質疑応答力、表現力

総合考査Ⅰでは、与えられた資料から読み取れることを400字程度でまとめる形式が想定されます。

資料には、グラフ、表、データ、条文、判例などが含まれる可能性があります。

総合考査Ⅱでは、与えられたテーマのもとで400字程度の小論文を書く形式が想定されます。

面接試験では、志望理由書や評価書、調査書の内容をもとに、法律学への関心や入学後の目標について質問される可能性があります。

倍率・難易度

慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式は、評定基準や地域ブロック枠の特徴がある一方で、非常に人気の高い総合型選抜です。

2026年度入試では、法律学科B方式の出願者数は197名、第1次合格者数は118名、最終合格者数は46名でした。

出願者数を最終合格者数で割った倍率は約4.3倍です。

年度 方式 出願者数 第1次合格者数 最終合格者数 倍率のめやす
2026年度 法律学科B方式 197名 118名 46名 約4.3倍

倍率だけを見るとA方式より低く見える場合もありますが、B方式には学習成績の状況に関する出願条件があり、さらに地域ブロック枠の考え方もあります。

そのため、B方式では、評定を満たしていることを前提に、総合考査での論理的思考力と面接での表現力をしっかり示すことが重要です。

慶應法学部法律学科FIT入試B方式で落ちる人の特徴

慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式では、評定基準を満たしていても、志望理由書・総合考査・面接の準備が不十分だと合格は難しくなります。

落ちてしまう受験生に多いのは、以下のようなケースです。

  • 評定を満たしているだけで安心してしまう
  • 志望理由書が「慶應に行きたい理由」だけで終わっている
  • 法律学を学びたい理由が抽象的で、社会問題と結び付いていない
  • 地域ブロック枠の意味を理解せず、地域や社会への問題意識が弱い
  • 総合考査Ⅰで資料を正確に読み取れない
  • 総合考査Ⅱで400字程度に考えを整理できない
  • 面接で志望理由書の内容を深掘りされたときに答えられない
  • A方式とB方式の違いを理解せず、自分に合う方式を選べていない

特にB方式では、学習成績、地域・社会への問題意識、法律学への関心、総合考査での思考力、面接での表現力を一貫して示すことが大切です。

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志望理由書対策

FIT入試B方式の志望理由書では、「なぜ慶應義塾大学法学部法律学科で法律学を学びたいのか」を800字以内で明確に書く必要があります。

重要なのは、法律学への関心と自分の経験、地域や社会に対する問題意識を結び付けることです。

おすすめの構成は以下のとおりです。

1. 関心を持った社会問題

人権、差別、労働問題、消費者問題、少年犯罪、家庭問題、いじめ、SNSトラブル、個人情報、AIと法、環境問題、国際紛争、犯罪被害者支援、司法制度、地域課題など、自分が関心を持ったテーマを示します。

2. 問題意識を持ったきっかけ

ニュース、学校での学び、課外活動、ボランティア、地域活動、読書、家族や身近な人の経験、探究活動など、自分の経験と結び付けて説明します。

3. 法律学を学びたい理由

その問題を理解するために、なぜ法律学が必要なのかを説明します。権利と義務、自由と規制、公平性、紛争解決、制度設計などの観点から考えることが大切です。

4. 慶應義塾大学法学部法律学科を志望する理由

慶應義塾大学法学部法律学科で学ぶ意義を、自分の関心や将来像と結び付けて示します。

5. 将来の目標

法律学を学んだことを、将来どのように社会で活かしたいのかを説明します。

総合考査Ⅰの対策

総合考査Ⅰでは、与えられた資料から読み取れることを400字程度でまとめる力が求められます。

資料には、グラフ、表、データ、条文、判例などが含まれる可能性があります。

重要なのは、自分の意見を先に書くことではなく、まず資料から読み取れる事実や論点を正確に整理することです。

対策としては、以下の練習が有効です。

  • 新聞記事や白書のグラフ・表を読み取り、内容を400字以内でまとめる
  • 条文や判例の要旨を読み、論点を整理する
  • 資料の事実と自分の意見を分けて考える
  • 「何が示されているか」「なぜそう言えるか」を明確にする
  • 45分以内に読み取り・構成・記述まで行う練習をする
  • 読み取った内容を簡潔な文章で表現する練習をする

総合考査Ⅰでは、知識量だけでなく、資料理解力、論理的思考力、考察力が見られます。

総合考査Ⅱの対策

総合考査Ⅱでは、与えられたテーマについて400字程度の小論文を書く力が求められます。

ここでは、創造力、独創性、発想力などが評価されます。

法律学科志望の場合、テーマに対して、社会のルールや制度、権利、自由、公平性、公共性などの観点から考えると、法律学への関心を示しやすくなります。

対策としては、以下の練習が有効です。

  • 社会問題について400字程度で自分の考えを書く
  • 結論・理由・具体例・再結論の構成で書く
  • 抽象的なテーマを具体例と結び付ける
  • 一つのテーマに対して賛成・反対の両方から考える
  • 法律や制度が関わる論点を意識する
  • 45分以内で書き切る練習をする

総合考査Ⅱでは、正解を暗記するのではなく、テーマに対して自分なりに考え、筋道立てて表現する力が求められます。

面接試験対策

B方式の面接試験では、志望理由書や評価書、調査書の内容をもとに、受験生の人物面や法律学への関心、入学後の目標が確認される可能性があります。

面接は約10分程度と短いため、限られた時間で自分の考えを分かりやすく伝える練習が必要です。

よくある質問としては、以下のようなものが考えられます。

  • なぜ慶應義塾大学法学部法律学科を志望したのですか。
  • なぜA方式ではなくB方式で出願したのですか。
  • 法律学に関心を持ったきっかけは何ですか。
  • あなたが関心を持っている社会問題は何ですか。
  • その社会問題は法律学とどのように関係していますか。
  • 高校生活で最も力を入れたことは何ですか。
  • 評価書に書かれている内容について、自分ではどう考えていますか。
  • 地域や社会に対して、将来どのように貢献したいですか。
  • 慶應義塾大学法学部法律学科で何を学びたいですか。
  • 将来の目標は何ですか。
  • 反対意見に対してどのように考えますか。

面接では、立派な答えを暗記するよりも、自分の経験と言葉で一貫して説明することが重要です。

法律学科FIT入試B方式で評価されやすい経験

慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式では、以下のような経験が志望理由書や面接で活かしやすいです。

  • 高校での継続的な学習実績
  • 法律・司法制度に関する探究活動
  • 模擬裁判やディベート活動
  • 生徒会や学校運営に関わった経験
  • 地域活動やボランティア活動
  • 人権・福祉・教育・環境など社会課題への取り組み
  • 政策提案・社会課題解決型のコンテスト
  • 新聞・メディア・司法・行政に関する活動
  • 国際問題や国際法に関する関心
  • リーダーシップを発揮した経験
  • 資格取得や語学学習を通じて継続的に努力した経験

ただし、実績の大きさだけで合否が決まるわけではありません。

活動を通じてどのような問題意識を持ち、法律学を学びたい理由にどうつなげたかが重要です。

合格者から見た対策のポイント

慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試B方式では、評定・志望理由書・評価書・総合考査・面接の一貫性が大切です。

志望理由書で書いた関心テーマ、評価書で示される学校生活での姿勢、総合考査で求められる思考力、面接での受け答えがバラバラだと、説得力が弱くなります。

重要なのは、「自分はどの社会問題に関心があるのか」「なぜ法律学でその問題を考えたいのか」「慶應義塾大学法学部法律学科で何を学びたいのか」を一貫して説明することです。

また、B方式では地域ブロック枠の考え方があるため、自分が育ってきた地域や社会への関心を、法律学の学びと結び付けられると説得力が高まります。

こんな受験生におすすめ

  • 慶應義塾大学法学部法律学科を第一志望としている
  • 高校での学習成績に自信がある
  • 法律学や社会問題に強い関心がある
  • 地域や社会への問題意識を持っている
  • 模擬裁判・ディベート・生徒会・地域活動などの経験がある
  • 志望理由書や面接対策に悩んでいる
  • 総合考査Ⅰ・総合考査Ⅱの対策をしたい
  • 一般選抜だけでなく総合型選抜でも慶應法学部を目指したい
  • 将来、法曹・行政・企業法務・国際関係・公共政策などに関わりたい

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  • 法律学への関心の言語化
  • 地域・社会への問題意識の整理
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  • 400字記述の練習
  • 面接対策
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早い段階から準備を進め、自分の学習成果や経験、地域・社会への関心を「慶應義塾大学法学部法律学科で法律学を学びたい理由」と結び付けていきましょう。

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