こんにちは。総合型選抜(AO入試・推薦入試)専門の家庭教師「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大です。

AO入試や推薦入試などの入試方式が、日本で初めて始まってから、1990年から30年以上の年月が経っております。最近では、国の大学入試改革の一環として、名称が総合型選抜や学校推薦型選抜と変わりました。しかしながら、各大学・学部で独自の名称をつけるなどして、より混沌とした様相を見せているのが、最近のAO入試・推薦入試・総合型選抜の界隈であります。

AO入試や推薦入試、総合型選抜とはなにか。そう聞かれてしっかりと答えられる人はそう居ないのではないでしょうか。たとえ、大学受験のプロフェッショナルとされる、高校の先生や塾・予備校の先生であっても、AO入試・推薦入試、総合型選抜について、詳しく知っている人はほとんどいない、と私は感じています。このAO入試・推薦入試・総合型選抜について語られる際には、「なんとなく」で語られることが本当に多く、全国の高校生・大学受験生に間違った知識や誤解で、AO入試・推薦入試・総合型選抜を語られる、間違った知識が正しいこととして、世間でまかり通ってしまっているのが現状なのです。

「ありのままの自分を出す」では落ちる

数多くある、AO入試・推薦入試、総合型選抜の誤解のうち、多いのが、AO入試・推薦入試・総合型選抜では「自分のありのままを出せば良いんでしょ」と考える人がいる、ということであります。「ありのままの自分を出せばいい」から、ほとんど対策せずに、AO入試・推薦入試・総合型選抜を受験して、撃沈してしまっている、そんな受験生を多く見ています。そんな受験生の周りの人間が、少しでもAO入試・推薦入試・総合型選抜について、“正しい知識”を伝えてあげていれば、ほとんど時間を無駄にしたような形で撃沈することもなかったんじゃないか、そんな想いであります。

「ありのままを出す」のは難しい

ただ、大学・学部が出している入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)にも、「あなたのありのままを出してください」と書いてあることがあります。そんなわけですから、AO入試・推薦入試・総合型選抜において「ありのままを出す」のが間違っているのではなく、工夫して対策をしないと「ありのままを出す」のは“難しい”ということなのです。

「ありのままを出す」は「何もしないで良い」わけではない

ありのままを出す、というと、AO入試・推薦入試・総合型選抜の出願書類に、ぶっつけ本番で書きなぐってしまえばいい、と思ってしまっている人もいます。それは大きな間違いです。それは「ありのままを出している」のではなく、相手に伝わる工夫も「何もしない」で“読み手のことを何も考えずに書いてしまっている”だけになってしまうのです。

読み手(大学の教授)は何百もの出願書類と対峙している

AO入試・推薦入試・総合型選抜を実施している大学、その教授陣にとって、出願書類を受け付け、その出願書類にしっかりと目を通して、合否を出さなければなりません。それはすごく労力のかかる作業なのであります。というのも、大学受験というのは、その受験生一人ひとりのある意味、人生がかかっている、といっても過言ではないからです。もとろん、大学受験がすべてではありませんが、やはりそういう気持ちで望んでいる受験生が多いでしょう。

そんな中で、大学の教授陣は、何百もの膨大な数の出願書類を受け付け、合否を判断する、という本当に大変な作業を担っているわけであります。そんななかで、受験生側の主張で「ありのままを出した」といわれても、合否を判断する教授陣に、そんな主張を通用しないことは、少し考えれば明らかではないでしょうか。

相手に伝わるように「工夫する」ことが大事

そのような前提にたって考えてみれば、ただ「ありのままを出せば良い」という受験生側の都合というのは、ただの「甘え」になってしまうかも知れません。では、大学側だって、「ありのままを出せ」と言っていることだし、どうしたら良いのでしょうか。
その答えは、相手(読み手)の立場にたって、自分のありのままが伝わりやすく工夫を凝らした出願書類をつくる、ということなのです。

敵を知り己を知れば百戦殆からず

敵の状況を知って、自分も知れば、負けない戦いができる。AO入試・推薦入試・総合型選抜において、読み手(大学側)はどんな状況で自分が書く出願書類と対峙しているのか、しっかりと相手の状況をよく知っていなければ、このAO受験という戦いを勝ち抜くことは出来ません。

加えて、孫子の「己を知る」。これもまた自分で自分を知るのは、本当に難しいのです。AO入試・推薦入試・総合型選抜というのは、そんな意外と難しい入試なのであります。しかしながら、しっかりと戦略立てて対策を実施していけば、一般入試に比べて、遥かに効率的かつ、自分自身の将来に役立つスキルを身につけられる、本質的な大学受験の形になるのです。

 
ぜひチャレンジしてみてください。

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。