こんにちは。総合型選抜(AO入試・推薦入試)専門の家庭教師「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大です。

AO・推薦・総合型選抜でボランティア経験は必ずしも必要ではない

よくあるAO・推薦入試・総合型選抜への誤解として、AO・推薦入試・総合型選抜で合格するには、ボランティア経験が必須ではないか、ということがあります。確かに、ボランティア経験を出願資格としている入試方式もあり、大学が定めるボランティア経験がないと、そもそも出願すら出来ないAO・推薦入試・総合型選抜もあります。しかしながら、必ずしも必要な要素ではありません。むしろ、ボランティア経験を出願資格としている入試方式は少ないです。

なぜボランティア経験が必要だと誤解されているのか

それでは、なぜ世間では、AO・推薦入試・総合型選抜で合格するのにボランティア経験が必須ではないか、という誤った情報が盛んに叫ばれているのでしょうか。

学習院大学 アドミッション・ポリシー
学習院大学は、大学全体の理念・目的を、以下のとおり定めています。
「学習院大学は、精深な学術の理論と応用とを研究教授し、高潔な人格及び確乎とした識見並びに健全で豊かな思想感情を有する、文化の創造発展と人類の福祉に貢献する人材を育成することを目的とする。」

国際社会科学部 アドミッション・ポリシー
国際社会科学部は、国際的に活躍したいという気持ちを持った学生を受け入れ、世界のいろいろな国の出身
者と協力して働くことができるような人材、そして、海外でのビジネスに積極的に応じる能力を身につけた人材を輩出することで、人類の福祉に貢献することを目指しています。

出願資格
以下の2つの条件を満たす者
(1)高等学校等を卒業もしくは卒業見込みの者。
(2)指定した英語資格・検定試験のいずれかの基準を満たした者。

(学習院大学ホームページ:https://www.univ.gakushuin.ac.jp/admissions/related/request/download/ao.html)

こちらは学習院大学の国際社会科学部の総合型選抜(AO入試)の要項から、アドミッション・ポリシーと出願資格を抜粋したものです。

じっくり読みますと、最後の2行が出願資格でして、この2つさえ満たしていれば誰でも出願することが出来ることは理解できるかと思います。

しかしながら、ぱっと見て読んでしまいますと、アドミッション・ポリシーに「人類の福祉に貢献する人材」や「国際的に活躍したいという気持ちを持った学生」といった、少し重々しい言葉が並んでいるのが目につくかと思います。こちらはアドミッション・ポリシーでありますから、あくまでも求める学生“像”であります。AO・推薦入試・総合型選抜で合格したあと、大学入学後の大学生活のなかで、そういった学生になってくれることを望んでいる、といった形に過ぎず、出願時点でそれが出来ていないといけない訳ではありません。

この例に出したAO・推薦入試・総合型選抜の募集要項は決して特別なものではなく、むしろ募集要項のなかではよくある部類のものです。やはりこうした、ぱっと見た印象で、取っ付きにくい印象や、そもそも出願できない印象になっていると言えるのです。

AO入試・推薦入試・総合型選抜にボランティア経験は必要ない

このようにボランティア経験を出願する条件にしている入試は少なく、ボランティア経験は出願の際に問われないことがほとんどです。

むしろ、ボランティア経験のある生徒よりも、ボランティア経験なしでも将来性の感じられることが大事でして、大学入学後の姿が具体的に示せるボランティア経験のない人のほうが合格できているのが実際なのです。

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。