こんにちは。総合型選抜(AO入試・推薦入試)専門の家庭教師「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大です。

一般入試と総合型選抜(AO入試・推薦入試)の対策にかかる時間の比較

定期的に実施される模試などを通して、自身の現在位置、合格可能性が把握しやすい「一般入試」とは違い、「総合型選抜(AO入試・推薦入試)」は“本当に合格できるのか”という点において、自分の現在位置や合格可能性、というのは非常に分かりにくいものだと思います。総合型選抜(AO入試・推薦入試)受験生は、常に“本当に合格できるのか”という不安と隣り合わせで、日々の出願書類の執筆等の対策を進めて行かねばなりません。

また、実際に対策を進め始めている、総合型選抜(AO入試・推薦入試)受験生の多くが感じていることの一つに「予想以上に時間をかけなければならない」という点があるかと思います。多くの総合型選抜(AO入試・推薦入試)受験生は、一般入試と平行しながら、対策を進めなければならない状況であるわけです。そのような状況で、実際に総合型選抜(AO入試・推薦入試)の対策を始める前は「一般入試対策の“合間”にAO対策を進めれば良いだろう」という感覚の受験生がほとんどかと思います。しかしながら、一般入試の“合間”に対策ができるほど、総合型選抜(AO入試・推薦入試)対策も甘くはないのです。

一般入試の対策にどれほどの時間をかけているかは人それぞれであるかと思いますが、基本的には一般入試対策と比べて、“やや少ない時間で済む”か“ほとんど同じ時間をかける”必要があった、という受験生がほとんどなのです。

「小論文」と「志望理由書」の違い

総合型選抜(AO入試・推薦入試)において、自分自身を見つめ直す必要があるのは勿論ですが、その上で、自分がやりたいことについて熟考する必要があることを多くの受験生が忘れてしまっています。総合型選抜(AO入試・推薦入試)で課される、志望理由書などの「出願書類」を、一般入試で課される「小論文」と同じものと考えてしまうと、そういった思考になってしまうのだと思います。

一般入試で課される「小論文」は、ある意味、文章を書くテクニック(技術)に注目されていると言えます。というのも、小論文の多くは、あるテーマについて、試験会場で初めて知らされて、設定された制限時間内に書き上げられることが出来るか、が求められています。時間制限がある中で書き上げなければなりませんので、課されたテーマについて、ある程度、考える必要はありますが、総合型選抜(AO入試・推薦入試)ほどの熟考までは、求められていません。というか、制限時間がありますので、そもそも熟考したとしてもたかが知れているのです。

一方、総合型選抜(AO入試・推薦入試)では、出願書類として課されるテーマは、かなり前もって、あらかじめ知らされていることがほとんどです。となりますと、文章を書くテクニック(技術)というのはもちろんですが、それ以上に期待されることは、そのテーマについて、どれだけ熟考できているのか、であるのです。

合格レベルの志望理由書を書くためには

まずは小論文と出願書類(志望理由書)の違いを理解しているか、理解していないかで、合格可能性もかなり違ってきてしまいます。そして、「一般入試対策の“合間”にAO対策を進めれば良いだろう」という考えの受験生は、ほぼ間違いなく、合格できない可能性が高いのではないかと思います。

総合型選抜(AO入試・推薦入試)では、誰よりも深く「熟考」する必要があることは分かりました。では、合格できるレベルの志望理由書を書くためには、実際にはどうしたらいいのでしょうか。通常ですと、なかなか難しいのですが、以下のようなサイクルを回し続けることで、誰でも簡単に、熟考できるようになるかと思います。

(1)執筆→(2)添削(赤入れ)→(3)ディスカッション→(1)再執筆→・・・

再執筆だけをしていても、なかなか熟考といえるまで、考えを深めることは難しいです。そこで、最初に思いつくのは、誰かに「添削(赤入れ)」してもらうことです。学校の先生や友人に添削してもらって、それを元に新たに執筆し直す、という形です。

ただ、これでも深められることは深められるのですが、やはり合格レベルまでは不十分です。そこで「ディスカッション」を間に入れることで、より考えを深めることが可能になるのです。

志望理由書の執筆サイクルは1回に7時間半かかる計算

ご紹介した「(1)執筆→(2)添削(赤入れ)→(3)ディスカッション」のサイクルを20回まわせれば、かなり合格レベルに達している志望理由書が完成するはずです。1回のサイクルをまわすのに、(1)執筆では、調べたりすることも含めて、最低6時間くらいはかかると思います。(2)添削(赤入れ)は自分以外の人にやってもらうにしても、軽く見積もって30分はかかります。そして、(3)ディスカッションは次の再執筆につなげるためにも、最低でも1時間はしっかりと熟議しなければならないと思います。1サイクルで合計すると、7時間30分はかかる計算になりますね。

合格レベルの熟考した志望理由書の完成まで150時間かかる

となりますと、よくよく熟考した志望理由書が完成するまで、単純計算で150時間かかることになります。これは多くの受験生がびっくりする時間ではないでしょうか。

しかしながら、これはあくまで目安の所要時間になりますし、しっかりと根を詰めて取り組めば、寝る時間をしっかり取っても、2週間くらいあれば出来る計算になります。(ただ熟考する過程で、予期しない調査が必要になったり、実績づくりに時間を割かなければならない事態もあるので、あまりオススメは出来ませんが…)

逆にいいますと、これくらいの所要時間で難関校に合格するチャンスが増えるわけであります。このチャンスを使わないのは本当に勿体ないと思いますし、現にこのチャンスを端から捨ててしまっている勿体ない受験生が多すぎるのです。

 
一人でも多くの受験生に、このチャンスをものにして欲しい。そのための執筆サイクルを誰でもどこでも簡単に必要な分だけまわせるように。家庭教師のカカオがそのお手伝いをできれば幸いです。

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。