こんにちは。AO入試・推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)専門「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大でございます。

AO・推薦入試は佳境を迎えている今日この頃であります。やはりAO・推薦入試は、選考側の主観的な判断の下、合否が決まってしまう為、否応なしに「縁(えん)」の要素が強くなってしまう入試です。これが「AO入試」は大学と受験生の「お見合い入試」だと言われる所以(ゆえん)ですね。

言ってしまえば「AO入試」は「縁」であると自覚する

そんなAO・推薦入試の受験生は、一般入試の受験生以上に「プレッシャー」に打ち勝つ必要があります。かなりの時間を要する「出願書類の作成」から、出願後の短期決戦となる「二次試験対策」まで、全ての期間において、様々な『不安』がつきまとうのです。受験生各位におかれましては、これらの不安に対して適切に“対処”したり、不安に“付き合っていく”必要があります。

一般入試であれば、「不安」に対する対処法は、出題される試験科目の勉強をただひたすらやってさえいれば、不安は解消されますし、基本的に問題はありません。それだけでもプラスになります。一方で、AO・推薦入試の場合、不安から時間さえあれば、ただひたすら「書類に改善を加えていく」という行為、ただひたすら時間をかけて改善し続ける、というのは時に命取りとなってしまうのです。少しでも微調整していれば、不安は解消されるかも知れませんが、出願書類のクオリティを下げてしまったり、部分的な視点で見て“良かれ”と思った改善が、全体的な視点で見れば“悪く”させてしまうことなど往々にしてあるものなのです。

今回は、時に合否をも左右させてしまう、AO・推薦入試にまつわる「不安」について、ケース別の正しい付き合い方について、綴ってまいります。

出願書類(志望理由書等)と“不安”

AO・推薦入試対策において、最も時間をかけなければならないのは「出願書類」です。この出願書類で一次試験の合否が決まってしまうことが多くあるのは勿論ですが、それ以上に、この後に控えている二次試験の基盤となるものなのです。例え一次試験が無事に通過したとしても、この「出願書類」の出来がほどほどだと、せっかく通過した二次試験でコテンパンにされてしまうのがオチです。そんなのは悲しすぎます。

しかしながら、ただ「時間をかければ良い」というわけでは決してありません。「不安」から一人で出願書類を見直してしまい、あーだこーだと“改悪”してしまう例が跡を絶ちません。前述の通り、AO・推薦入試は選考する人の「主観的」な判断で合否が決まる入試だからこそ、一人よがりの自分の「主観」での改善はNGなのです。改善する際は、まずは改善したい点について他の人(第三者)の意見を聴く、その上で改善する。これがAO・推薦入試の鉄則です。

ここで間違えて欲しくないのは、他の人(第三者)の意見を「聴く」という点です。

●「聞く」と「聴く」 | ことば(放送用語) – 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/151.html

ここで「聴く」というのは、内容を理解しようと思って進んできく意味です。他の人に相談してまず「聴く」。その聴いたことを理解した上で、改善したいと思った点を実行するか自分で「判断」する必要があるのです。

よくある間違いが「聴いたことをそのまま反映してしまう」ことです。「自分はここを改善したい!」と思って、まずは他の人に聴く。すると「こうするとこうなってしまうよ」とややネガティブ(反対)な意見を聴くことができた。そうしたら、自分自身で「なるほど。でも私はそれを分かった上でこうしたい!(やっぱりやる!)」という判断があっても良いのです。むしろ、実際のAO・推薦入試対策ではこういうことの方が多いように感じます。

というわけで、出願書類の「不安」への対処法は『一人よがりにならない』なのです。

二次試験(小論文・面接等)と“不安”

さて、かなりの時間と労力をかけて完成した力作「出願書類」を出した後に待ち受けるのが、この「二次試験」であります。入試のよって大きく異なりますが大体、小論文や面接、プレゼンテーションが課されることが多いのではないでしょうか。

さて、ここでも「不安」はつきものです。ただ、ここでの「不安」への対処法は比較的簡単です。一般入試と同じように『場数をこなす』。これに尽きます。

面接であれば、既にAO・推薦入試の集大成「出願書類」が出来ていれば、面接のために何か書き留めたり、資料を整理したり、言うべきことのQ&Aを作ったりする必要は全くありません。それはむしろマイナスに作用することもありますので注意が必要です。もちろん、出願書類にあまり力を入れてこなかった、出願書類に手間を掛けてこなかった人は、付け焼き刃の対策にはなりますが、上記のような対策が正攻法になることもあります。出来る限り避けたいものです…。

そこで面接や小論文に不安を感じたら、まず「場数」をこなす。一回でも多く、模擬面接をこなしたり、小論文を解く。それだけで大丈夫です。

というわけで、面接の「不安」への対処法は『とにかく場数をこなす』なのです。

合格発表までの“不安”

出願と二次試験、大変お疲れ様でございました。ここまで来ても付きまとうのが「不安」ですね。

私は現役のとき、面接後は振り返れば振り返るほど「ああすれば良かった」や「こう答えておけばよかった」と考えてしまっておりました。そんなときはやっぱり、自分の好きなことをする!考えても仕方がありません。

AO・推薦入試はそもそも、「自分の好きなこと」や「時間をかけてきたこと」を志望大学・学部に合わせて「アカデミックにする」のが基本でした。ぜひそれを続けて、社会にインパクトを与えられる人になるべく、自分の好きなことをして、力を蓄えていれば大丈夫です。忘れて好きなことをしましょう。ソーシャルやアカデミックな視点を忘れずに!(一般入試が控えている人は、一般入試の勉強をした方が吉です笑)

というわけで、合格発表までの「不安」への対処法は『忘れる!(一般入試の人は)勉強する!』なのです。

皆さま、最後の追い上げ、頑張りましょう!

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。