こんにちは。AO入試・推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)専門「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大です。
今回は、AO・推薦入試で重要な「とりあえずやってみる」の精神を学ぶべく、エピソードをご紹介します。

「一人に起因するビジネスはバイラルしないよ。」

この言葉は、僕が「家庭教師のカカオ」の元になる「cacao-nyushi.com」を始めた直後、大学の教授に言われた言葉だ。当時は、言っている意味がよく分かっていなかった。

試しに「起業」してみた

cacao-nyushi.comは、僕がSFCに入ってすぐに起こしたサイトだ。後々に法務局に行って、合同会社として法人登記もしている。これを起こした理由は、SFCという環境にいるからには、「起業」というものに興味があって入学したわけで、SFCに入ったのを気に、試しに「起業」をしてみようと思い立ったのだ。

「SFC=起業」のように思っていて、起業のイロハを教えてくれるのだろうと思っていたのだが、それは全く違った。「起業はツールだ」と大層なことを言う教授がいたり、授業の端々に「起業するときは」とか言うけどそれについては説明はなし、「ベンチャー関連法」とか起業に関係ありそうな名前の授業は一杯あるけど、スケールの大きい話ばかりで(これは後に分かるが大企業向け)、ほんっとに「基本のキ」みたいな話を聞けることはなかった。起業家の人が実際に来て話をしてくれることもあるけど、自慢話ばかりで、当時の僕は「うんうん」と貴重な話を聞けていると思っていたが、今となっては、モチベーション向上には良いかも知れないが、あんまり意味をなさない話だったな、って思う。

SFCと言えども「大学」は「就活予備校」

なんでかなって思えば当然で、「大学」は「就職予備校」なわけで、「就職」っていうのは「企業に入る」ことで、「企業」っていうのは「システム」なわけで、所詮はシステムに適応する人を育成できれば良いわけだ。いまの企業は「起業家人材」を欲しているとか言うのだけど、「システムの中での起業」であって、「ほんっとに1からの起業」なんてシチュエーションは無いわけだ。

まあ、「企業=システム」って話は真意なわけなのだけど、それが分かるまで時間がかかった。少なくとも、起業したときの僕は、全く分かっていなかったわけだ。当の本人は「そんなの当たり前っしょ」とかいって、巷にいる意識高い系と一緒で「いかにも分かってる風」にはしてたけども。

とりあえず「やってみた」

起業について色々と教えてくれると思ってたSFCが全然教えてくれないから、もう自分でやってみれば分かるだろうと思って、とりあえず「起業」してみた。今の僕が思えば、全く無茶なことをする。この性格は偏差値30、評定平均2.2の僕がE判定の慶應SFCに入れた理由の一つ「とりあえずやってみる精神」なんだって。SFCのAO入試の面接で本人がそう言ってた。
で、とても悪い例なのだけど、僕の目的は「起業」だったから、起こす業は何でも良かった。

「起業だから…まずは登記だ。」
いやいや、今思えばおかしい。「登記」は売上が出たらで良いし、そもそも売上だってそんな大した額なら「個人事業主」でいいんじゃね。と思うわけだが、当時の僕は「小さな学習塾の初め方」と「合同会社登記の方法と」って本を近くの本屋さんで探し出して、見よう見まねで登記書類を作ることに取り掛かった。

「何いってんだ。全く意味がわからん。」
本には登記書類の見本がしっかり書いてあったのだが、煩雑過ぎて全くわからない。いや、もっと読み込んでしっかりやっていけば出来るのかも知れないが、当時の僕は「メンドクセ」とか言って、途中で投げ出し、ウェブ上で「合同会社 登記」で調べ始める。
そしたら、「合同会社設立代行センター」っていうサイトにたどり着いて、どうやら1万円とかそこらで、登記書類作成を代わりにやってくれるらしい。もちろん直ぐに頼んだよね。でも今でも思うけど、登記の手続きって面倒なものが多いから、代行してもらったほうが良いかも知れない。「定款」っていう、自分の会社の法律みたいなのをツラツラと書く必要があるんだけど、これが決まった型があるわけじゃないのに、慣例としてあるみたいで、あんまりふざけて書くと、法務局が突っぱねるらしい。だから、1万円とかだったら、代行してもらっちゃったほうが良いと思う。

とりあえず「登記してみた」

でまあ無事、数日で、登記書類が完成しましたとさ。法務局なる施設で申請すれば「起業」を成し遂げたことになるわけだけど、そんな簡単に「起業」出来るはずがないと僕は思っていたから、何らかの試練があると思ってドキドキしちゃって。でも1時間もかからずに登記出来ちゃったわけだ。当時は呆気にとられたよね。
じゃあ、登記して無事に「起業」できたのだけど、僕の「起業」についての疑問はぜんぜん収まらないわけだ。だってあまりにも直ぐに出来ちゃったんだから。

とりあえず「口座つくってみた」

次に僕が考えついたのは、「法人名義で銀行口座を開こう」って思ったわけだ。これもそこそこ簡単で、法務局で登記事項証明書と会社の印鑑を持っていけば、簡単につくれる。ただ、メガバンクはちょっと面倒らしいけど。そういう「メガバンクに法人口座を持つんだ!」みたいな欲はなかったらしく、ローカルな銀行でつくった。しかも小さい銀行で法人口座を作ると、めっちゃ粗品もらえるんだ。これには笑っちゃったよね。学生の遊びなのにね。

とりあえず「ホームページつくってみた」

さて、遂に「金を稼がなきゃならない」と思い始めた。法人という「看板」と法人口座という「サイフ」を手に入れたんだからね。
というわけで、ドメインを取得して、ホームページを作ってみた。ホームページにはトップページの他にコンテンツがある必要があるから、色々と作るわけだ。笑
けど、一番最初に手を付けたページは「会社概要」だからね。何ともお粗末な話だよ。

続く。

AO入試や推薦入試でも、まずは何事も「やってみる」ことが大切です。

勇気を出して「人と違うこと」をやってみよう!

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。