こんにちは。AO入試・推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)専門「家庭教師のカカオ」代表の高野祐大です。

志望理由書に必要な要素

志望理由書を記述するにあたって、必要不可欠な要素というのがあります。これらがしっかりと説得力のある形で記述されていないと、合格することは出来ません。しっかりと確認していきましょう。

(1)その大学・学部を目指すことになった「きっかけ」
(2)その大学・学部で突き詰めたい「研究テーマ」
(3)あなたがその大学で学ぶことによる「社会的意義」
(4)大学卒業後の「将来ビジョン」
(5)あなたにとって「その大学でなければならない理由」
(6)その大学にとって「あなたでなければならない理由」

これらの要素をしっかりと説得力のある記述がなされているかが合格の決め手となります。

志望理由書の構成

志望理由書の構成は「志→過去→現在→未来」を意識し、『ストーリー性』を持たせる。志望理由書の冒頭の一文は、試験官に最も読まれる部分であるから、志望理由書の「全体を通して最も伝えたいこと」を力強く宣言するのがポイントです。

(0)「志」(全体を通して最も伝えたいことを初めに宣言する!)
(1)「きっかけ」〔過去〕
(2)「研究テーマ」〔現在〕
(3)「社会的意義」〔未来〕
(4)「将来ビジョン」〔未来〕
(5)「その大学でなければならない理由」〔未来〕
(6)「あなたでなければならない理由」〔未来〕

前述の必要な要素がしっかりと記述され、「志→過去→現在→未来」の順になっていれば、必要な要素の記述箇所が、前後したり、複数に渡るのは問題ありません。

志望理由書の文字数配分

評価してもらえる志望理由書を作成するのに、文字数配分を意識することで、より『ストーリー性』を持たせた志望理由書に出来ます。

〔例:規定文字数2000字の志望理由書の場合〕

(0)「志」
 − (0)だけで200文字程度

(1)「きっかけ」
 − (1)だけで600文字程度

(2)「研究テーマ」
(3)「社会的意義」
 − (2)と(3)で600文字程度

(4)「将来ビジョン」
(5)「その大学でなければならない理由」
(6)「あなたでなければならない理由」
 − (4)と(5)と(6)で600文字程度

この文字数配分で記述していくと、志望理由書の後半になるに連れて、少ない文字数に対し、記述する必要のある要素が増えてきます。これにより、文章にスピード感が生まれますから、しっかりと読み手を惹きつけて、最後まで飽きさせません。よりストーリー性に富んだ志望理由書になる重要なテクニックです。

自分にしか語れない研究テーマ

早慶などの難関の大学・学部では、研究テーマの深堀りが必須になります。この場合、ただ単に研究したいテーマを述べるだけではダメで、もはや問題解決能力の試験であることを強く意識して取り組む必要があります。研究テーマを「問題発見→問題分析→解決策」の順に記述しながら、『自分にしか語れない研究テーマ』まで掘り下げていくのがポイントです。

(0)「志」
(1)「きっかけ」
(2−1)「研究テーマ:問題発見」
(2−1)「研究テーマ:問題分析」
(2−1)「研究テーマ:解決策」
(3)「社会的意義」
(4)「将来ビジョン」
(5)「その大学でなければならない理由」
(6)「あなたでなければならない理由」

中堅の大学・学部では、規定文字数が600字程度で少ない為に、ここまで求められないことも多いです。しかし、難関校であるのに規定文字数が少ない場合は、しっかりと深堀りした上で、それを適切に取捨選択しながら文字数を削っていくという、非常に難しい作業が求められる場合もあります。

志望理由書の文章表現のチェックポイント

合格を勝ち取る受験生は、最後の最後まで気を緩めません。以下は文章表現の必要最低限のチェックポイントです。

●文字数は制限文字数の9割以上埋まっているか。
●文体は「です・ます調」か「だ・である調」で統一されているか。
●短文になっているか。(1文は60文字程度が目安)
●声に出して読んでみて、おかしいところはないか。
●一つの段落で一つの主張か。

以上が戦略的な志望理由書の書き方でした。合格を目指すにあたって、まだまだクリアしなければならないテクニカルなことは沢山あります。

●AO・推薦の志望理由の書き方のルール<超・初級編>
https://cacao-nyushi.com/blog-rule/

是非こちらも一緒に参考になさってください。

この記事を書いた人

高野 祐大
家庭教師のカカオ代表。偏差値30、評定平均2.2で慶應義塾大学にAO入試で現役合格。学校の成績は大学進学も危ぶまれる状況だったが、AO入試で慶應義塾大学に現役合格した経験をもつ。大学入学後は、一人でも多くの人にAO・推薦入試にチャレンジしてもらうべく、日本初のAO・推薦入試専門の家庭教師センター「家庭教師のカカオ」を設立した。趣味は温泉。温泉ソムリエ協会認定温泉ソムリエ。